何度でも復活できるスキルのエッセンス『チーズはどこへ消えた?』
30代、40代とある程度の年齢を重ねると、家庭、キャリアや人脈、あるいは物質的な豊かさなどを手に入れて、「これでもう安心だ」と思いたくなる人もいるでしょう。
ところが何十年もかけてやっと手に入れたと思ったそれが、ある日突然なくなってしまったら…。
これがどん底の始まりです。
でも、それを転機に変えられるかどうかは、その後の考え方の転換と行動によります。
そのことがよくわかる本が「チーズはどこへ消えた?(Who Moved My Cheese?)」です。
アメリカの医学博士、心理学者スペンサー・ジョンソンによる大ベストセラーで、1998年に出版されました。
日本では2000年に出版され、半年もたたないうちになんと19刷!
自己啓発系の本ではとても有名なので、もちろんご存じの方も多いでしょう。
もくじ
こんな人におススメ
この本の面白いところは寓話仕立てであること。
二匹のねずみ(スニッフとスカリー)とふたりの小人(ヘムとホー)が消えてしまったチーズを探しに行く、ごく単純で可愛らしいお話ですが、とても示唆に富んだストーリーになっています。
読み進めるうちに、いろいろと心当たりがあったりして、身につまされてしまう人も多いでしょう。
この本がおススメなのは、ずばり「人生の変化、転機を迎え、それを乗り越えたいと思っている人」です。
その方法がこの本に書かれているといっても過言ではありません。
また、「まだ何も起こっていないけれど、予測不可能な時代といわれる今、それに備えたいと思っている人」にも、改めて自分を振り返る意味でとても役にたつでしょう。
変化は起きる
この本にはどん底がどのようにして起き、どう変化させて転機に変えていくかということがはっきりと書かれています。
本そのものはぜひご自身で読んでいただきたいので、ここではその重要な部分の抜粋を紹介します。
- 変化は起きる
- 変化を予期せよ
- 変化を探知せよ
- 変化にすばやく適応せよ
- 変わろう
- 変化を楽しもう
- 進んで素早く変わり、再びそれを楽しもう
人生100年時代といわれるようになった今、必ず変化は起きてしまいます。
ましてや予測不可能な時代なのですから。
新型肺炎が流行する以前の2019年頃、誰が今の状況をはっきりと予測できたでしょうか?
今、私たちはまさに予期できなかった変化を体験しているともいえます。
そして、人生の転機は1回だけとも限りません。
また次の転機に備えることもとても重要なのです。
あなたにとってチーズとは
この本のなかで消えたのはあくまでチーズですが、読んだ人の頭の中にはその人なりの「チーズ」が浮かんでいることでしょう。
- あなたの心や人生の拠り所は何でしょうか?
- それにあぐらをかいていませんか?
- 「自分だけは大丈夫だろう」と思っていませんか?
ここでいう「自分は大丈夫」というのは、自己肯定とは異なります。
状況を冷静に見て、備えることがやはり肝心です。
それが、今の自分を肯定することにもつながりますね。
約20年前に出版された本ですが、そのエッセンスは全く古びていません。
ご興味のある方はぜひ読んでみてくださいね。
私も今回改めて読んでみて、大切なことがシンプルでわかりやすく書かれている本だと思いました