年賀状のストレス
もうすぐお正月ですね!
お正月と言えば年賀状。
年賀状は、お節料理と同じように、昔は「お正月に出すのは当たり前のもの」という感じでしたよね。
でも最近は日本人の生活習慣がだいぶ変わってきて、意外と悩みの種になったりしている人もいるのかな?という気がしています。
あなたは年賀状を出す派でしょうか?出さない派でしょうか?
私はもう出さない派になりました
まずは出せない派になったよね…
年賀状は挨拶状なので、一種のコミュニケーションツールです。
今はメールのように一瞬でコミュニケーションをとれるツールがたくさんありますから、以前のようにもうお正月の必須アイテムとはなっていないのではないかという気がしています。
年賀状を出さない派の意見としては
- 「今どき、年賀状なんてもうオワコン、時代遅れだ」
- 「資源の無駄だ」(材料代や燃料代など)
- 「年賀状がなければ、郵便局の人たちだって年末年始にふつうに休めるのに…」
という人も結構いらっしゃるのかなと思います。
一方で、以下のような考え方も結構根強いと思います。
- 「年賀状を出すのは社会人としてのマナーだ」
- 「目上の人への年始の挨拶がメールでは失礼」
- 「日本の伝統なんだから、おろそかにしたくない」
ちなみに、私個人は、「年賀状はあくまで出したいと思う人は出せばいいし、出したくない人は別に出さなければよいのでは?」と思っています。
この「出す・出さない」問題に正解はないと思いますが、この記事では、あくまで年賀状がストレスになっている人に向けて、そのストレスをどのように考えて対処すればよいのかを述べたいと思います。
具体的には、以下のようなお悩みについてです。
- 年賀状を辞めたいけど、辞めにくい
- 自分がスランプなので年賀状を出したくない
- 他人の幸せそうな年賀状を見るのがつらい
- 年賀状を返してこない相手にイライラする
ただし、ひとつお断りしておきたいのは、私は決してマナー講師ではありません…。
あくまで、このような年賀状の悩みに関して、心理面からアプローチし、あなたのモヤモヤする気持ちをを整理するというのが、この記事の目的になります。
私の主張がマナー的に正しいという保証は一切ありませんので(笑)、その点だけはどうぞご了承ください。
まあ、こんな考え方もあるんだな(笑)と思っていただければと思います
年賀状を出す人も出さない人も、年末年始のストレスがひとつ減るといいな
もくじ
年賀状を辞めたいけど、辞めにくい
もっとも簡単に辞められるのはこの方法
この悩みの一番早い解消方法はやっぱり「自ら辞める」です。
「いやいや、それができたら苦労しないよ!」と思われた方は、「なぜ辞められないと思うのか」を一度考えてみてください。
おそらく大多数の方は「相手に失礼じゃないか」と考えると思うんです。
でも、それを失礼かどうか決めるのは相手であって、あなたではありません。
つまり、あなたが本当に恐れているのは、「相手に"失礼なやつだ!"と思われる」ことなんです。
その恐れを乗り越えると、簡単にこの悩みは消えます。
「失礼だと思われてもいいや、嫌われてもいいや、辞めよう!」と思うことですね。
どうしても辞めるのが怖い場合は、最初はメールに置き換えて、メールでつながっていない人やメールを使わない年輩の人だけに出したりするのもいいと思いますよ。
ビジネス関係は辞めにくい?
ただし、仕事関係で辞めにくいという場合は、なかなか「嫌われてもいい」とは割り切れないこともあるでしょう。
特にご自分でビジネスをされている場合は、お取引先やお客様に年賀状を出すことも多いと思います。
もちろん、交際やPRの一環だと割り切っている場合はよいのですが、相手を引き留めるために無理して出している(出したくないけど出している)場合は、ちょっと悩んでしまいますね。
特にそのビジネスがBtoBの場合などは、おそらく今はもう「年賀状は不要」という流れになってきていると感じます。
というのも、年賀状代に会社の経費を使うとしたら、費用対効果はかなり低いと思うからです。
取引先からすると「年賀状が来たから絶対に発注する」なんてことはありません。
逆に言えば、年賀状が来ないからといって、「あそこにはもう絶対に発注しない」とはなりません。
ですので、年賀状については、そんなに気にしなくてもよいのではないかと思います。
どちらかというと、普段から信頼関係を構築しておくことの方がよほど大事だと思います。
本当に古風な考え方の業界はわかりませんが、普段メールでやりとりをするような仕事相手に、わざわざビジネスライクな年賀状を紙で送る必要はないのかもしれません。
もちろん、個人的によくしてくれる相手だと「出したい」と思えるでしょうから、そういう人だけに出せばよいでしょう。
とはいえ、メールで出すのは良いのではないでしょうか?
メールなら、年始の挨拶からそのままスムーズにビジネスの話に入れるからです。
なお、ビジネスでは、昨年お世話になったお礼を年賀状で述べる方も多いと思いますが、これも年賀状のやりとりがダラダラと続いてしまう原因となりがちです。
お礼は年賀状で兼ねるのではなく、その都度礼状を出せばよいと思います。
そうすれば、1度書いた礼状兼年賀状がきっかけで、もう取引もしていない相手と意味もないやりとりが永遠に続いていく…というような事態を防げます。
お互いに辞め時がわからないんだよね…(笑)
自分がスランプなので年賀状を出したくない
これは、今どん底状態の方はそういうお気持ちの方も多いのではと思います。
年賀状に自分の近況を添える人は多いですが、「子供が生まれました」など、やはり幸せそうなことを書くのが一般的です。
そんなとき、例えば「昨年の春にうつで退職し、今は自宅療養中です」などと正直に書きたい人はほぼいないでしょう。
普通の手紙なら良いのですが、年賀状は季節の挨拶です。
そもそも、正月から相手を暗い気持ちにさせたり、かえって気遣わせたりする可能性が高いような内容は、あまり書き添えないほうがよいと思います。
あなたの優先事項は何か?
こういう場合、出したくないのであれば、出す必要はないと思います。
スランプのとき(例えば病気だったり、仕事がうまくいってなかったりなど)のあなたの優先事項はなんでしょうか?
一刻も早く自分を立て直すことだと思います。
そういう状況の時、年賀状などというものは、かなり優先順位が低いと思いますので、まったく気にしなくてよいでしょう。
もし出したいと思う気持ちがあるなら、また状況が良くなったら出せばよいだけです。
この場合も、そんな大変な状況なのに「なぜ年賀状を出さないといけない」と思ってしまうのかを考えてみるとよいと思います。
出さないと嫌われると思っているのか、出さないと縁が切れてしまうと思っているのか、あるいは別の理由なのか、ご自分の本心を見つめてみてください。
ちなみに、万一あなたがスランプのときに「年賀状が来なかったから」という理由で怒って縁が切れるような相手は、もともとあなたの人生には必要ない人だと思います。
縁がある人というのは、あなたの繋がりたいという意志と、必要さえあれば、何があっても縁は切れないものです。
今しんどい人は安心して年賀状をサボってください
近況は知らせたくないが年賀状は出したい場合
この場合は、「あけましておめでとうございます」と「今年もよろしくお願いいたします」の2行で良いと思います。
年賀状のデザインも、なるべく余白のないものを選べば不自然ではありません。
ちなみに年賀状に近況を書くのは必須でもなんでもありません。
年賀状は単なる季節の挨拶状です。
これは次の項目でも述べますが、相手によってはそういう近況報告がネガティブな感情を呼び起こしてしまうことになりかねないという場合もあります。
そういう理由からも、新年の挨拶だけのシンプルな年賀状が一番利にかなっていると思うのですが、いかがでしょうか。
他人の幸せそうな年賀状を見るのがつらい
結婚式や可愛いお子さんの写真、あるいは「夫婦で海外旅行に行ってきました」というような近況を添えて年賀状を送る人はとても多いですね。
もちろん、マウンティングなどではありませんし、基本的にお正月だからこそ幸せなネタを送るわけです。
受け取るほうも、多くの場合はそれを見て楽しんでいるとは思うのですが、ただ人によってはそうとは限りません。
例えば、友人たちの間で自分だけが結婚していなければ「結婚しました」の年賀状はつらいですよね。
あるいはなかなか子供ができない人にとっては、幼い子供たちの写真は可愛いけど、どこかつらいものがあるかもしれません。
また、健康や経済的な事情で旅行を楽しめない人にとっては、海外旅行の写真は「いいな」と思う反面、自分の境遇の寂しさを感じるかもしれません。
このように、年賀状を受け取った時に「幸せな相手に嫉妬したり、落ち込んだりする」ということが、自分の状態・状況によっては結構あるわけですよね。
もしあなたがこの悩みをお持ちでしたら、あなたのそのつらい感情の原因は何かと言いますと、それは、そんな年賀状を送ってくる相手…ではないんです。
実は、その年賀状を受け取ったときのあなた自身の捉え方が原因なんです。
つらさの原因は自分自身にある
例えば同じ友人から「赤ちゃんが生まれました!」というはがきを受け取った時に、心があったかくなる人と、つらくなる人がいるとします。
心があったかくなる人は、「これはめでたい、良かったね」と捉えているから、あったかくなるわけです。
逆につらい感情が出てくる人はそうは捉えていません。
「何で彼女ばっかり順調なの」「どうせ私には子どもなんていない。そもそもパートナーもいない」などと捉えてしまうと当然つらい感情が湧いてきます。
だったら、どうしたらいいの?
感情は勝手に湧いてきてコントロールできないので、その引き金になっている捉え方のほうを変えてみましょう
他人の幸せそうな年賀状がつらいとき、あなたはどう捉えてしまっているかというと、自分と相手を比較して、「自分のほうが下だ、負けている」と思っています。
他者との比較というのは、本当に自分を不幸せな気持ちにしてしまいます。
でも人間同士というのは、客観的な比較というのはできません。
年賀状から読み取れる情報は、幸せいっぱいのエピソードでしょうが、相手の人生のすべてが100%の幸せしかないのかというと、そんなこともないでしょう。
ただ、そのネガティブな部分をわざわざ選んで年賀状には載せていないだけなんですね。
誰の人生にだって、いい面もあれば悪い面もあります。
年賀状の写真というのは、そのうちのいい面を選りすぐってのせられているだけ。
つまりハイライトです。
もし幸せそうな写真が載った年賀状が来た時は、「これが今のこの人のハイライトなんだな」と思えばいいのです。
その裏には、その人だって日々大変な思いをしていることだってたくさんあるはず。
「でも、こういう素敵なこともあったよ」というのを選んで送ってくれているわけですから、それをいちいち「どうせ私にはこんな素敵なことは起こらない」と悲観的に捉える必要はありません。
そういう人生のハイライトは、人によってその内容も時期も違います。
自分が落ち込んでいる時期でも、友人は幸せの絶頂ということはよくありますし、その逆も当然あります。
人によって人生のバイオリズムが違うので当たり前なんですよね
つまり、あなたが年賀状を見てつらいと感じるなら、相手の人生のたった一面しか見ずに、「私のほうが不幸に違いない」と勝手に捉えてしまっているんですね。
捉え方を変える方法
では、捉え方を変える方法を3つご紹介します。
少し高い視座からそのことを考えてみる
人生をトータルで見る、つまり、ある一点だけに焦点を当てて比較しないということです。
相手は本当に100%幸せなだけの人生を送っているのか?あなたは本当に100%不幸でしかない人生を送っているのか?ということです。
そんなわけないよね
他人と自分の人生をいちいち絡めない
年賀状の写真は、あくまで相手の人生の一部。
そこにあなたの人生はほぼ関係ありません。
相手のハイライトを知って「へえ、良かったね」と思ったら、そこでいったん思考を終わらせてください。
「それに引きかえ自分は…」と続けて自分ことを絡めるからややこしくなります。
「人は人、自分は自分」と思っておくということです。
他人の幸せは長い目で見ると自分の幸せでもある
もしかしたら「不幸な今の自分の周りに幸せな人が存在することが許せない」というような気持ちが、心の奥底ある方もいらっしゃるかもしれません。
でも、仮に「今のあなたの人生がぱっとせず、仲の良い友人たちの人生は幸せ」という状態と、「あなたも友人たちも全然ぱっとせず、顔を合わせれば愚痴の言い合いばかり」…という状態、どちらがよさそうでしょうか?
後者の場合は一緒に沈んでいくだけかもしれませんがが、前者は希望を持てるのではないでしょうか?
よく「お金持ちなんか嫌いだという人がお金持ちになることはない」などといわれますが、「幸せなやつなんて嫌いだ!」という人も、なかなか幸せにはなれないのでないでしょうか。
他人の幸せを知ったら「へえ、良かったね」と、SNSでgoodボタンをピッと押す感覚で軽~く受け入れたらいいと思います。
そんな感じで、他人の幸せも「いいね!」と軽い気持ちで受け入れていると、自分の幸せも軽々と受け入れられるようになると思います。
自分が不幸な時ほど、むしろ他人の幸せを喜んであげるといいと思います
身近な人ならなおさらだよね
年賀状を返してこない相手にイライラする
せっかく年賀状を送ったのに、相手から返信がないと、なんだかモヤモヤするという人もいるでしょう。
年賀状の概念は人それぞれ
これが当てはまる方は、まず「あなたにとって年賀状とは何か?」を考えてみてください。
そうすると、あなたのなかに例えば
- 「年賀状とは必ず送り合わなければならないもの」
- 「必ず返信しないとマナーがなっていない」
というような考えが見つかる方もいるのではないかと思います。
例えば私の場合は、「年賀状とは季節のあいさつにすぎない」と思っています。
だからこそ、「送りたい人が送りたい相手だけに送ればいいものだ」というふうに捉えているんですね。
自分のあいさつの気持ちが伝わればそれで役目を果たしますし、返信するかどうかは相手の勝手だと思っているので、基本的にはこちらから送りっぱなしで良いと思っています。
その逆もしかりで、いただいたら嬉しいけれど、「絶対に返信せねば!」とも思いません。
年賀状がきっかけで伝えたいことがあったら、メールか電話をします
つまり、「年賀状は返信すべきもの」と思っている場合、それはあくまであなた側のルールにすぎないんですね。
相手は、私のような考え方の人かもしれませんし、あるいは何か事情があって返信できないのかもしれません。
返信されないことについて、相手側の事情を何も知らないまま、イライラするというのはあまり得策でない気がします。
何より、せっかくのお正月をそんなことで不愉快な気分になりたくないですよね。
返信がないことをどう捉えているか?
次に「返信がないことに対するデメリットは何か」を考えてみると、イライラやモヤモヤの原因がわかるかもしれません
返信がないことは、あなたにとって、一体どんな不都合があるのでしょうか?
例えば、
- 「はがき代を損した気がする」
- 「自分だけが出した状態は、なんか自分のほうが低くみられている気がする」
この後者の感覚をもつ方は結構いらっしゃるかもしれませんね。
つまり相手から、「あなたは返信するに値しない人間です」と言われているような気分に勝手になっているということなんです。
この「勝手になっている」というのがポイントです。
相手は決してそんなことは言っていないわけです。
つまり、もしそのように感じているなら、それはあなたの思い込みです。
冷静に考えてみましょう。
「相手が年賀状を返してこない=自分を低く見てきている」というのが、果たして客観的事実かどうか?
それを100%客観的事実だと言い切れる人はおそらくいないと思いますし、仮にそれが事実であれば、ではあなたはなぜそんな相手に年賀状を出しているのでしょうか?
あなたが年賀状を出す理由
さらに「そもそも自分は何のために年賀状を出しているのか」も考えてみるとよいでしょう。
私たちのすることには、大抵何かメリットがあります。
あなたは何のメリットのために年賀状を出しているのでしょうか?
その返信がない相手に対してもわざわざ出すからには、メリットがあるとどこかで思っているということになります。
例えばもし年賀状を出すことで「礼儀正しい人だと思われたい」などの理由であれば、本当は年賀状そのものを出したいわけではなく、人目を気にして出しているということになりますね。
もちろんその理由で出すのが悪いという意味ではないのですが、自分の本音はちゃんと押さえておいてもよいでしょう。
あるいは、もともと手紙を書くのが好きな人などは「1年に1回、手書きのはがきだからこそ味わいがあるんだ」、日本の文化が好きという人も「伝統だからそうしたい」と思うのかもしれませんね。
とても素敵なことなので、ぜひ継続したらよいと思います。
ただし、それを相手には強要しないことです。
どんな理由でも、自分のメリットのためにそうしているのですから、「相手もそうすべきだ」とは考えなくてよいのです。
あなたの本音は?
最後に、「そもそもその相手に対し、本当にあなたは年賀状を出したいのか」を考えてみてもよいでしょう。
本当は出したくないのに義理で出しているなら、すでに相手からは送られてないわけですから、おそらく辞めても何の問題もないと思います。
そのほうがあなたのメンタルにも良いと思いますし、むしろ相手もほっとするかもしれません。
第一、相手から「年賀状を送ってほしい」とは頼まれていないはずです。
「いや、それでも自分は出したい」と思うなら、相手の反応は気にせず、好きなように気分よく出せばよいだけではないでしょうか?
つまり、この手のイライラは、「自分が出したくて出している」と割り切れば、何も悩むことはなくなるのです。
年賀状にまつわる悩みはこう考えよう
というわけで、「年賀状にまつわる4つの悩み」について述べて見ました。
マナー度外視だけどね
- 「年賀状を辞めたいけど、辞めにくい」という人は、嫌われる勇気をもって自ら辞めるのが一番速いでしょう。
- 「自分がスランプなので年賀状を出したくない」人は、出さなくてOK。
まずはスランプを脱出して、そのあと出したいと思えたらまた出しましょう。 - 「他人の幸せな年賀状を見るのがつらい」という人は、相手の人生のハイライトだけを見て、いちいち自分と比較するのを辞めましょう。
そしてあなたのまわりに幸せな人がいるというのは、長い目で見ると本当は素敵なこと。
そこに気づいてください。 - 「年賀状を返してこない相手にイライラする」という人は、自分が出したくて出していると割り切ればすっきりします。
また、もし本音では「この人には出したくない」と思っているなら、出すのを辞めましょう。
もっとすっきりするよ
年賀状を出したり出さなかったりすることで、人生が変わったり、自分の価値が上がったり下がったりもしません。
単なる季節の挨拶です。
年賀状で悩んでしまうときは、「自分はちょっと重く考えすぎではないか?」と思ってみてください。
年賀状は義務のように考えるのではなく、自ら出したいと思う人が、自分が出したい相手に対してのみ出せばよいものではないでしょうか?
年賀状などで悩まず、楽しい年末年始をお過ごしください!